Report 2018

ごあいさつ

見に来てくださった皆様へ

 鳥取夏至祭ははや2回目。学生も参加し始め、少しずつ広がりを見せています。「何もないから何でもできる」と言いながら何も知らないまま始めてしまったこのお祭り、昨年はシャイだけどおおらかでゆったりとした人々にたくさん出会いました。来るもの拒まず、そんな鳥取のやさしさに助けられ、励まされた3日間でした。鳥取に初めて訪れたアーティストたちは驚き、鳥取が大好きになり、また訪れるようになりました。

 魅せる踊りが発生する前は上手いも下手も関係なく、ただただ好きなように踊り、演奏していたはずです。すべての人が楽しいから踊る、そんな時に戻る方法として即興に着目しました。音楽も、ダンスも、美術も。会話と同じようにその時相手の反応や場の力を受けながら新しい何かを生み出していきます。技術も経験も関係なく、ただただその“人”が見えてきます。

 ダンスの世界では「こどもと動物には勝てない」と言います。どんなに考えて工夫して、試行を凝らしたところで、こども達のひらめきや神の囁きにはかなわない。それであれば一度こどもに戻ってしまいましょう。こどもは全てを持っています。私たちもかつては持っていました。しかしどこかで失ってしまいがち。

 こうあるべきだという決まりごとを外したら、少し楽になります。一度壊してみる、そしたら新しい世界が見えてくる。それが古くからの祭の場でした。祭の原型には一時的な非日常への飛躍があります。そこには破壊が欠かせない。物を壊すわけではなく、競争や戦いに進むのではなく、ただ自分の思考の枠組みを一回外してみる。そういう特別な場所と時間が生まれることを祈っています。

 実はアーティスト達はさみしんぼう。終わった後少しずつ話してみてください。それもまた一期一会。素敵な出会いがありますように。

 

出演者の皆さん、今回訪れることができなかった昨年の参加者の皆さんへ

 

 3日間は鳥取を知るには短すぎます。なので、また是非お越しください。鳥取はゆっくりゆっくり、でもその分熟成させてお待ちしています。いつ来ても変わらないものって本当はすごく素敵なことなのではないかと思います。またあそこに行かなきゃ、あの人に会いに行かなきゃ、そう思える場所が一つでもあればそれはそれで幸せなことだと最近思います。鳥取がそんな場所になりますように。

内容

22()前夜祭@鳥取大学地域学部附属芸術文化センター他 はじめましての会

                18時半開演

                料金:1000円(プチパトロンシステム1ptつき)学生特別料金500円(プチパトロンシステム1ptつき

                定員:40名

    くじ引きによる即興ダンスと音楽のセッション(オービタルリンク、中沢れいさん発案)

          ①      くじ引きにより3人組を作る

     各自が2分ずつ即興を行う(ダンサーは音楽家を指名したり、CDなど用いても良い)

  その3人でセッションを行う(4分)

10分程度のパフォーマンス9回

               

23日(土)昼周遊型パフォーマンス

                15時開演 とりぎん文化会館フリースペース集合、中庭から周遊型パフォーマンススタート

                定員40名

                野外でのパフォーマンス(観客はとりぎん文化会館で地図をもらって巡回しながら見て回る)

                ガイドとしてパフォーマーが案内します。

                料金:23日1日券2000円、昼夜いずれかの場合は1500円

 

23HOSPITALE night@旧横田医院

                19時半開演

                照明デザイン:田中哲哉(鳥取大学工学部)

 

24日(日) 10時ごろ:いなばのお袋市に出現

                特別プログラムとしてアティーナ・バーラ(Atiena Vehala)と星のいり口のコラボレーション作品の上演

出演:星のいり口

アティーナ・バーラ:振付家、サイトスペシフィックダンス振付家、演出家、学際的アーティスト、教師。1991年ギリシャ国立振付賞受賞、1994ボニーバード振付賞受賞。現在ロードス大学名誉研究職、ドラマ学部準講師を務める。

星のいり口:年齢、性別、障害の有無にとらわれず、様々なメンベーで構成されているインクルーシブダンスグループ。鳥取で2007年より活動を続けている。

 

                1時30分:わらべ館いべんとほーる(晴天時にはわらべ夢ひろば含む)にてワークショップ


参加費 無料

場所 わらべ館いべんとほーる

申し込みはわらべ館(0857227070)

定員は50(大人も一緒に参加できます)

 

 

夏至祭staff

                企画構成:鳥取夏至祭実行委員会

                                学生スタッフ:高橋礼奈、門脇瑞葉、山田泰裕、伊藤聡美、おおくぼあい、佐伯恵里、中村友紀、

 藤森このみ、吉野紗恵、田中哲哉、岡田悠冬

                宣伝美術、チラシ・ポスターデザイン:三宅航太郎(うかぶLLC

                宣伝写真:田中良子

                映像:佐々木友輔・村上大樹(鳥取大学地域学部附属芸術文化センター)

                写真:田中良子

               

                主催:鳥取夏至祭実行委員会・キノコノキカク

共催:鳥取大学地域学部附属芸術文化センター、わらべ館、

協力:鳥取市中心市街地活性化協議会、新鳥取駅前地区商店街振興組合、鳥取市公園スポーツ施設協会、若桜

   街道商店街HOSPITALE プロジェクト(旧横田医院、ことめや)、鳥取藝住、totto、鳥取大学学生、鳥   

   取市内の皆様

助成:鳥取市中心市街地活性化協議会、文化庁大学における文化芸術推進事業(わらべ館ワークショップ部 

   分)

22日はじめましての会@鳥取大学

写真が届いた分から少しずつアップしていきます。

大学生の皆さんに少しでも触れていただこうと今年は前夜祭を大学にて開催。夜の大学は結構不思議空間。

アートプラザでのセッションの後お外へ出てみたら格好の芝生が!

ここでは大脇理智さん(と凡ちゃん)、金井隆之さん、高橋礼奈さんのセッションが。パパー!!と泣き出す凡ちゃんにママー!!と叫び返す金井さん。そして臆せず参入する学生高橋さん。

大学の中にあるアゴラ(広場の意味。駒場のではありません)の奥にある通路のところで踊る白神ももこさん、菊池航さん、中村友紀さん。濃いいキャラ2人の中に押されつつ、学生がんばる。

アゴラでは映像(松尾邦彦さん)も登場。普段は水銀灯が付いているのですが、一転して怪しげな空間に。伊東歌織さん、後藤理恵さん、辻たくやさん、竹田力さんの5人という動きは静かだけれど、言葉がじわじわ効いてくるちょっと演劇よりな展開。

最後にアートプラザに戻ってきて全員でのセッションを。

ほとんどの人は完全にはじめまして。なので、ちょっとドキドキ、探りつつ。

23日周遊型公演


とりぎん文化会館中庭に集合。雨が降りそうと言いながら、なんとか持ちこたえました。フリースペースから外へと展開していきます。

ギャリーとりたちの家では1階から3階まで全館を使っての展開。場所が変わると雰囲気も変わります。

こちらは3階。普段ギャラリーとしては使っていない部分ですが、特別にかしていただきました。鳥劇の皆さんありがとうございます。なお、井戸のようなところから出てきた田中さん、皿を数え始めるという。

案内役です。

おしゃれカフェカルマ(日替わりで店主が変わります)ではその日はイギリス紅茶とハーブティのお店「Love Beau tea 」さんが出店中でした。お邪魔してガラス越しにみんなでパフォーマンスを見ます。イギリス映画に出てきそうな一瞬。

真教寺公園さん。ここで出会った子どもたちが金井さんと仲良くなり、マンドリンを演奏するという展開に。(その後彼女たちは一緒についてきて、後半のパフォーマンスを見て回りました。)この公園、動物がいて、そこに侵入していった小山さんの大冒険は追って報告します。(ちなみにそれを見たクジャクが興奮して鳴き叫ぶというすごい展開になりました)

こちらはペインクリニック。院長先生が街中の賑わいづくりに協力したいと病院の2階にあるストレッチやカウンセリングに使うための部屋を貸してくださいました。

ここでは竹田力さんがこの世とあの世を分けるミニワークショップを。緑のカーテンから向こうはこの世で、手前があの世。皆あちらの世界を垣間見ています。(なお、私はこの世側にいたのですがカーテンの向こうからこのシュールな状況を見守りました)

五臓円ビルは福助などもきになるポイントなのですが、正統派にギャラリーを使ってのパフォーマンス。うさぎさん(伊東さん)に惹かれる子供達。たまたまなのか石和田さんも衣装を赤くし、ストーリー性のある展開だったので、まるで作品であるかのような密度の高い時間でした。

こちらはわらべ夢ひろば。翌日のワークショップ会場なのですが、外のところにある音符が謎の波長になっていて、演奏してみたら、”超現代音楽”であることが判明。急遽追加で演奏することに。音楽家の皆さん大ウケ。

最後に訪れたのは県立博物館の大階段。ここは全員参加。

美しい階段。転がるだけでも絵になります。

23日Hospitale Night

一見お化け屋敷のような異空間を皆でぐるぐる巡ります。昨年は昼の周遊型に組み込んでいましたが、今年はたっぷり。おどりがいもあります。照明と空間作りを田中哲哉くんと門脇瑞葉さんが頑張ってくれました。ありがとうございます。

屋上へ上がると一気に視界が開け、光と影の空間に。

24日お袋市と風紋広場

昨年以上に出店数も増え、お客さんも増え、お店の人もあの時の子達だと覚えてくれていて、すっかり定着した様子。嬉しいことです。

その後移動してきた風紋広場では星のいり口さんとイギリス人振付家Atiena Vahlaさんの作品が上演されました。この日はすごいピーカン照りで、お客さんも日陰に避難しつつ、熱演を見守ります。

星のいり口さんは鳥取で活動するインクルーシブダンスのグループ(障がいの有無にかかわらず皆で踊るという活動)。この作品ではトーンチャイムという楽器を効果的に使用しています。

 

最後に夏至祭メンバーたちも一緒に混じって踊るシーンがあり、風紋広場の広い空間でのびのび演技をしました。ミュージシャンもダンサーも関係なく、皆で遊ぶ瞬間です。

24日わらべ館ワークショップ

54名の子供から大人まで様々な年代の方にご参加いただきました。この内容をうまく説明したいのですが、なかなかできず。でもおそらくこのワークショップのために3日間の夏至祭はあり、夏至祭を通過したからこそ、誰かがリードするのではなく、しかし皆が共有感覚を持って動くことができるということを感じます。

今年もまた楽しいひと時をありがとうございました。

きっとこれがまた新しい種となって、広がっていくのだと思います。

全ての参加者、観客、巻き込まれた人々に感謝して。

レポート報告、写真など上がり次第少しずつ追加していきたいと思っています。

ありがとうございました。